お知らせ

SEMのXEDS検出器が新しくなりました。

2021年03月25日

マイクロカロリメーター分析SEM (Zeiss Ultra 55)に搭載されていたSDD型XEDS検出器が新しくなりました。
新たに搭載したOxford社製 X-Max 150は九州大学の共同利用設備としては最大級の有効素子面積150 mm2検出素子を搭載し、高感度・高速分析が可能となりました。また、ドリフト補正機能やマッピング取得中の定量マップライブ表示も可能となり、これまで搭載していたSDDでは難しかった分析が可能となっています。
XEDSの操作が変わりましたので、利用される方は初回に取扱説明が必要となります。

~ X-Max 150で取得したデータ例 ~
『X-Max150と従来検出器の検出効率比較』

SEMの照射電子線を同条件としてX-Max150と従来検出器(Vortex)のスペクトルを比較しました。同一取得時間(ライブタイム)で取得していますが、X-Max150ではカウント数が19倍に向上しており、これまで取得に時間を要していたライン分析や元素マッピングが高速に取得できる。また、従来検出器では300 eV以下のエネルギーにおいてバックグランドが非常に高くなっていましたが、X-Max150ではこのバックグランドが発生せず、軽元素の分析や低加速電圧における分析が可能となりました。

『高空間分解能XEDSマップの取得』

3D NANDフラッシュメモリの断面切片を30分間分析した例です。隣接するメモリセル(丸い形状)同士のギャップは20 nmですがギャップ内のタングステン製コントロールゲートがマッピングできており、高い空間分解能が得られていることがわかる。ドリフト補正機能により長時間分析時に問題となる試料ドリフトが抑制でき、高空間分解能でのXEDSマップ取得が可能となりました。

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