センターについて

部門紹介

環境制御顕微解析部門(伊都地区)

本研究部門のミッションは、様々なタイプの環境制御(温度、圧力、磁場、電場等の制御)を通して、特殊な材料機能が発現するメカニズムを電子顕微鏡観察の立場から明らかにするものです。研究の基軸となる技術は電子線ホログラフィー、即ち結晶学的な構造情報に留まらず、物質が示す電位や電荷分布、或いは磁気構造・磁化分布の特異点を明らかにする技術です。平成28年度から開始されたJST-CREST(情報計測)プロジェクトによる電子線ホログラフィーの飛躍的な高感度化、アトミックスケール電磁場解析プラットフォーム事業を通した新規研究課題の開拓など、大型プロジェクトの推進でも本研究部門は重要な役割を果たしています。理化学研究所など、内外の研究機関との密接な共同研究にも取り組んでいます。

  • Fe3O4ナノ粒子の静電ポテンシャルと磁力線のイメージング Fe3O4ナノ粒子の静電ポテンシャルと磁力線のイメージング。
    Appl. Phys. Lett., 105 (2014) 183102.

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  • Nd-Fe-B磁石における粒界磁性の解析 Nd-Fe-B磁石における粒界磁性の解析。
    Acta Mater., 71 (2014) 370.

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  • Mn酸化物における強磁性相の核生成・成長プロセスの解析 Mn酸化物における強磁性相の核生成・成長プロセスの解析。
    Nature Nanotechnology, 5 (2010) 37.

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  • 格子欠陥で増強される強磁性(Fe-Al合金)の実証 格子欠陥で増強される強磁性(Fe-Al合金)の実証。
    Nature Commun., 5 (2014) 4133.

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多次元立体構造顕微解析部門(筑紫地区)

多次元立体構造顕微解析部門では、電子顕微鏡による3次元画像や3次元回折情報などから、合金のドメイン・バリアント構造や複相多結晶組織など、通常の2次元的な観察では実態を十分に捉えにくいタイプのナノ構造を明らかにする研究を進めています。特に、X線断層撮影法(CT)を透過型電子顕微鏡(TEM/STEM)に応用した電子線トモグラフィーによる新規3次元イメージング技術の開発や、ナノビーム電子回折の多点収録と半自動的な指数付けによる自動結晶方位マッピング(ACOM)技術の高度化と難観察試料への応用に力を入れています。新しい観察・分析技術の実現には、電子顕微鏡本体はもちろんのこと、試料ホルダーをはじめとする周辺機器の開発が必要となります。当部門では、そのような装置開発にも積極的に取り組んでおり、JST先端機器開発プログラムによるリアルタイム電子線トモグラフィーシステム(本学共用設備に搭載)などが最近の開発事例です。

  • 強磁性鉄中の転位の3D観察(左)およびスズ鉛はんだ合金変形の動的3D観察(右) 図1(スクリーンショット2018-02-13 0.38.38)
    強磁性鉄中の転位の3D観察(左)
    およびスズ鉛はんだ合金変形の動的3D観察(右)
    【参考文献】
    K. L. Hasezaki et al., Ultramicroscopy, 182, 249-357 (2017).
    S. Hata et al., Microscopy, 66(2), 143-153 (2017).

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  • 伸線パーライト鋼のTEM-ACOM解析 図2(スクリーンショット2018-02-13 0.39.01)
    伸線パーライト鋼のTEM-ACOM解析
    (a)実験と計算の回折図形の一致度マップ
    (b)結晶方位解析結果の信頼度マップ
    (c)疑似明視野像
    (d)フェライト(α-Fe)方位マップ
    【参考文献】
    D. Hirakami et al., ISIJ International, 56, 893 (2016).

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